総合的な心身の健康を志向するサンスターの全方位的なアプローチです。Holistic Health Careでは、日常生活のあらゆる面にわたって一貫したアプローチを行います。当社の社名が示すとおり、サンスターは、朝、太陽が昇ってから、夜になり星が出るまで、一日を通じてお客様をサポートします。
R&D Story 07
歯みがきを正しく、楽しい習慣に
変えるIoTテクノロジー
長年、課題だった歯のみがき残し
サンスターは、お口の健康状態は全身の健康に深く関わるという考えを世界でもいち早く提唱。世界中の歯科・ 医科の専門家と協力し、独創的で高品質なオーラルケア製品を開発してきました。様々な製品を開発しながらも存在し続けていた課題が「歯みがきの習慣化」と「みがき残しの可視化」でした。
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半分のユーザーが3分を下回っている
- 1分以下
- 13%
- 1~3分
- 35%
- 3~5分
- 31%
- 5~10分
- 15%
- 10分以上
- 6%
みがき残しなく歯をみがくには、世界では一般的に2分以上、日本では最低3分は必要だといわれています。しかし、日本でユーザー調査を行ったところ、3分以上歯みがきをしているユーザーは多くなく、磨き方に癖があることで磨き残しがあることも珍しくありませんでした。
IoT*で歯みがき課題の解決を
全身の健康を保つためには、お口を健康な状態に保つことが必要です。健康なライフスタイルを実現するためには、歯みがきを習慣化することが欠かせません。サンスターはユーザーが積極的に楽しんで歯みがきに取り組み、習慣化できるようにするため、歯みがきの体験そのものを変えることに挑戦しました。
アプローチ方法として候補に挙がったのが、データを計測し、スマートフォンのアプリと連携することでユーザーの体験を変えるIoTデバイスです。サンスターのマーケティングチームは、スポーツメーカー等がウェアラブルデバイスを通じてユーザーの体験を変え始めていることに着目。IoTを取り入れた製品開発ができないかと考えました。
*IoTとは、「Internet of things」の略称です。通信機器やセンサーデバイスを用いて、これまではインターネットに接続されていなかった、ありとあらゆるモノがインターネットに接続され、様々なサービスの提供が可能になります。
会社として経験のない新領域に挑戦
早速、開発に取り組もうとしたマーケティングチームですが、IoTデバイスの開発は社内では全く経験がなかった領域。開発は、外部パートナーとの協業しながらのスタートとなりました。アプリケーションの開発はクリエイティブエージェンシーが、ハードウェアの開発はハードウェア開発会社が担当しました。
- SUNSTAR
- アプリ開発
- プロダクト開発
ソフトウェアとハードウェア、それぞれの専門領域が異なるがゆえに、開発のスピード感も異なり、フィードバックや意思決定に時間がかかってしまうこともありました。数々の難関にも、「本当に新しいものを作る」という意思を2社と共有し、開発を進めていきました。
製品開発以外にマーケティングチームが取り組んだ課題が社内で理解を得ること。アプリやスマートフォンに馴染みがない人がいる中で、IoTデバイスの企画書は伝わりにくいものでした。そこでマーケティングチームはまずプロトタイプを作り、100名を超える社員や社員の家族にもテスト利用してもらいながら、社内を理解を深めていきました。完成に至るまでに4つのプロトタイプを作成し、終盤には保育園で子どもたちにも利用してもらいました。
- 1st
プロトタイプ - 2nd
プロトタイプ - 3rd
プロトタイプ
モノづくり会社としての姿勢が反映されたIoT製品
「ガム・プレイ」には、サンスターに蓄積されていたノウハウや精神も取り入れられています。開発に大きく貢献したのは、歯科衛生士とのネットワーク。きちんと正しい磨き方を身に着けてもらうため、サンスター財団に所属する歯科衛生士へヒアリングしながら、機能が備えられていきました。
これまでユーザーに信頼されてきたサンスターの品質を満たした製品となるよう、品質にも徹底的にこだわりました。たとえば、防水面ではサンスター製電動歯ブラシの品質基準と同様に、1メートルの水の中に落としても浸水しないなどの基準をクリアしています。プロトタイプが開発できても、高い品質での量産化には多くのIoTデバイスが苦戦します。サンスターはプロトタイプの開発段階から、製品化を見越した仕様設計も並行してスタート。蓄積されたモノづくりのこだわりと知見が活かされ、品質の高い製品を量産できました。
蓄積されたモノづくりのこだわりと知見が活かされ、品質の高い製品を量産できました
- 1meter
普及のしやすさにもこだわりました。価格を下げるためコストが高いジャイロセンサー ※1などの実装は避け、3軸の加速度センサー ※2のみを利用し、アプリ側のアルゴリズムで細かな解析を行うことにしました。従来の歯ブラシに取り付けられるアタッチメント形式にすることで、ユーザーが利用しやすいように配慮しています。製品が完成するまで全体で約2年、プロトタイプから量産までは約1年を要しました。
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※1 縦、横、奥行きの3軸における物体の加速度を計測するセンサー
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※2 回転角速度を測定するものセンサー
- 加速度センサー
- Bluetooth®
- アタッチメント
- LED
ユーザーの歯みがき体験を変えた「ガム・プレイ」
こうして生まれたIoTデバイスが「ガム・プレイ」です。小さな機器を歯ブラシに取り付けることで、加速度センサーによりブラッシングに関するさまざまなデータを収集。Bluetooth®でスマートフォンと連動させ、収集したデータを活用した歯みがきが楽しくなるような機能が用意されています。ガム・プレイを利用したユーザーからはポジティブな反応やエピソードが寄せられています。
「子どもが歯みがきをするようになり、育児ストレスが減った」
「親子で楽しく歯みがきをするようになった」


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MOUTH CHECK & MOUTH LOG
歯科衛生士のブラッシングの動きにどれだけ近いかを点数にして教えてくれる。
歯みがき中の動きや経過時間などのデータを記録する。他にも、より歯みがきを楽しんでもらい、自然と3分間以上歯みがきをしてもらうためにスマートフォンと連動した3つのアプリを備えています。
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MOUTH MONSTER
実際の菌をモデルにしたキャラクターたちと歯ブラシで戦う。

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MOUTH BAND
楽器を演奏するように歯みがきできる。

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MOUTH NEWS
歯みがき中の3分間にニュースを読み上げる。

親子で楽しく歯みがきをするようになった
将来は個人に最適化した歯みがき体験を可能に
アプリやセンサーはガム・プレイの構成要素の1つに過ぎず、歯科医院との連携の可能性も視野に入れています。例えば、アプリ内に蓄積された歯みがきデータを、ユーザーが歯科医や歯科衛生士に提供し、よりパーソナライズされたアドバイス受けられるなど活用法は無限大です。マーケティングチームが初めから大切にしていたことは、どの様にユーザーの生活を向上させる製品を展開していけるか。製品開発の初期フェーズから描いていた構想は、少しずつ形になり始めています。
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ログ
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電子カルテ
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歯科衛生士のアドバイス
サンスターは世界各地に拠点から引き続き研究開発を行っていきます
ガム・プレイは日本で先行販売しており、アプリの一部はすでに英語と中国語に対応されています。この先、世界中の人々の歯みがき習慣を変えられるよう、サンスターは世界各地に拠点から引き続き研究開発を行っていきます。
製品詳細

G·U·M PLAY
「G・U・M PLAY(ガム・プレイ)」の小型アタッチメントには、加速度センサーとBluetooth無線機能を搭載。歯みがき動作をリアルタイムにスマートフォンに転送します。歯みがき中の動きや経過時間などを記録する基本機能に加えて、歯みがきをガイドしたり、歯みがきの時間を楽しくするエンターテインメント性のあるアプリがあります。
*Bluetoothワードマークとロゴは、Bluetooth SIG,Inc.の所有であり、サンスター株式会社はライセンスに基づきこのマークを使用しています。
