ステークホルダー・エンゲージメント
サンスターグループは、長期ビジョンの中で、「パートナーシップ」も重点課題の一つに掲げています。お客様はもとより、地域の方々や各分野の専門家、取引先などに寄り添い、連携を深め、さらに積極的に情報を開示することで良好なパートナーシップを築き、社会課題の解決に向けた協力をすすめていくことを宣言しています。

有識者からのコメント ステークホルダーコミュニケーションの一環として、サンスターグループのサステナビリティ活動全般に関して株式会社クレアンの薗田綾子さんにメッセージをいただきました。 |
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創業90周年を迎えて 2032年のサンスター100周年まで、残り10年のカウントダウンが始まりました。世界のサステナビリティの潮流に乗り遅れることなく、サンスター独自の強みやDNAをベースに未来価値創造への変革が進みつつあります。社是の「常に人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」ことは、お口の健康だけでなく心や身体の健康の実現です。身体を取り巻く空気環境、住空間、移動空間も含めた健康的で快適な生活を支える製品・サービスを提供する企業として、事業で社会課題の解決を行い、環境問題や社員の幸福度向上などの社会的責任にもしっかり向き合っていく宣言をされたのも素晴らしいことです。これはまさに、世界で今、最も注目されている持続的な幸福のウェルビーイング経営であり、ウェルビーイングビジネスにも直結しています。バックキャスティングで描いた100周年の姿「サンスターグループ長期ビジョン2032」を、自社の社会的な存在意義としてサンスターのステークホルダー1人ひとりが認識し、マイパーパスとして自分ごと化して行動に移すことで共感的な絆(エンゲージメント)が生まれてくることでしょう。 ダイバーシティ経営が鍵 E(環境)については、「環境中長期目標一覧」掲載、全ての項目で2025年と2030年の目標KPIを策定され、多くの項目で実績が出ていることは高く評価できます。一方で、S(社会)については、まだ開示項目が少ないので「社会中長期目標一覧」とKPIの策定も積極的に進める必要があります。2023年から本格的に企業の非財務情報の開示が上場企業には義務付けられ、特に人的資産として人権やダイバーシティ経営の推進にも注目が集まっています。サンスターは非上場ですが、今後、優秀な人財の採用時の選択基準として、ダイバーシティ経営(男女の賃金格差、女性管理職比率開示が義務化)は中核的な指標となるため、トップコミットメントでの本気度が求められます。人権については、調達方針の中にも腐敗・人権の文言を加筆されたことで、サプライチェーンマネジメントも強化されていますが、今後は、サプライヤーを巻き込んだ人権デューデリジェンスの実施を行った上で、万が一人権侵害が生じた場合に是正するための救済メカニズムの構築整備にも取り組む必要があります。 次世代へのメッセージ また、EUの政策の一環であるサーキュラーエコノミーに積極的に参画し、他社との協業による製品R&D変革は、本業であるサンスターブランドのサステナビリティ事業戦略として競争優位につながる可能性もあります。特に、SDGsは持続可能な担い手創りとして小中高校、大学の教育にも組み込まれているので、次世代を担う若者や子供たち向けの教育コンテンツにもサステナビリティやサーキュラーエコノミーを組み込むことで社会的なインパクトも大きくなります。ぜひ、未来のステークホルダーへの信頼感をSDGsの推進で高めていってください。 |
![]() 株式会社クレアン 代表取締役 兵庫県西宮市生まれ。1988年、女性を中心にしたマーケティング会社クレアンを設立。現在は800 社以上のサステナビリティコンサルティングやレポーティングを支援。公益財団法人みらいRITA 代表理事、NPO 法人サステナビリティ日本フォーラム事務局長、環境省気候変動キャンペーン関連事業推進委員、環境省持続可能な開発目標(SDGs)ステークホルダーズ・ミーティング構成員などを務める。横浜市立大学 非常勤講師、ISL・大学院大学至善館 特任教授として次世代教育にも貢献。 |